この病棟で一番しゃべる人、平野勇太。ジャニーズにあこがれ、またあまり家族と仲がよくないことが分かった。あとは声が完全にオズワルドの眼鏡の方。

オズワルドを思い出せてうれしかった。

売店に行った。普通のコンビニくらいの品揃えで、マスクして、って言われた。コップとコーヒーとナンプレ(数独)を買った。多分もう行かなくていいかな。いつでもやっているが、病棟からはつきそいがある日がいいらしい。

ナンプレを3問やり、1回だけ上手くできた。どうも他の可能性がある場所を決めつけてしまうらしく、最後の数が違うことが2回。直し方もイマイチ分からないのでどんどんやることにする。

病院食は丼物>麺>普通の順にうまい。よく噛んで食べるので、食器を返すのは遅い。それがプライド、というやつだ。
洗濯をやってみた。ベッドのヘリに引っ掛けたりして工夫し、何とか干しきった。下着が一番早く交換になるので、それに合わせると3日~4日に1回か。正直着替えている人の方が少ないので、こんなマメに洗わなくてもいい気がする。なお、エアコンで室内が乾燥しすぎて洗濯を干しても部屋は乾燥したままだ。

コップを買ったので、お茶を汲んでみた。うまいと言われればうまいが、これが習慣になるとは思えなかった。歯磨きはバカ丁寧にしている。これまでしてこなかった分を取り戻すようだ。その意味で言えばこの日記もそうだ。ホントは糸井重里みたいに、1000文字くらい毎日書きたいんだよな……。


頼もしい、一歩。

面会に両親が来た。両親は普通。ただ、なぜ普通にできるのか。今の自分にとって、普通にするのが難しいことであるのがはっきりと分かる。首が痛み、頭痛がする。持ってくるものが少しズレているのも彼ららしい。マグカップ的なコップが欲しかったのに、歯ブラシケースに付属のコップとは……。あと、特殊な洗剤を買ってきて、その特殊なチャックにキレるのも非常に「らしかった」。

『ノルウェイの森』を読んだ。もし自分が大学の時に読んでいたら、キレ散らかる内容だった。最後まで見届けよう。この中にあるセックスシーンでめまいが出て変になった。首をマッサージして和らげた。じんわり暖かい。それにしても、変になるタイミングが童貞すぎやしないか。

面会前に寝て、昼食をとって、寝た。眠れすぎる。冬眠準備どころか、冬眠している。記憶がどんどん薄れていくが、お金の絡みと、職場で机が近く、仲良くしてくれた2人のことをよく考える。人当たりよくなろうとしていると、人当たりのよい人しか覚えなくなるものだ。

不思議なことに、仕事になんか戻ってやるもんか、という意識は強まる。こんな仕事いつでも出来るし、サブ仕事を見つけるくらいの気持ちで別のことをやってみろ、と心が言っているようだ。それもあって食堂のおばちゃんに想像が飛躍するの単純すぎなんだよな。せめて、ハローワークかチラシを見てからにしてくれよ。なんにしろ、バッグ1つで仕事になるような職業がいいな。持ち帰りがないような、シンプルなことがしたい。


頼もしい、一歩。


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午前は寝ていた。基本眠い。逆らわずに寝ることにした。これまで頑張ってきた特権だ……。

『鴨之橋ロンの禁断推理』4まで見た。リボーンの作者というだけで読める。トリックがどうとか以前に、テンポ感と絵のよさで、気分がいい。

シャワーができたし、売店も聞けた。この院内で不自由なく過ごす、それがまず大切。逃げようとしたり、早く出たいと思ったりしないことだ。そんなことも思いつきもしないので、やはり病気なのだろう。

院内食はうまい。よく、これはどこから来たんだと考える。おばちゃん達が力入れて作っているのだろうか。こういうその場で能力を求められたり、打ち合わせに思いっきり時間が取れる仕事がいいな。前職の、計画時間なく、打ち合わせ時間なく進んでいく感じは、本当に辛い。生まれ変わったら、こういう仕事がしたい。

『くもをさがす』を読み終わった。病気しながら書いたライブ感と西さんワードに勇気づけられる。闘病先の幸せを受け取る難しさがある、というのは新しい目線。だからこそ、今の自分を生きるということに意味があるのだろう。

この病院、完全にバイオ2の後半のラボなんだよな。惜しむならリストタグが無いことくらいだ。自分含めてゾンビだが、リッカーやタイラントが出ないことを、おちゃらけて祈っておこう。


頼もしい、一歩。


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