はじめに、ONEPIECEの視聴歴について。物心ついた時には、テレビでグランドラインに入ってアラバスタでクロコダイル倒すぞー!というところをやっていた。レンタルビデオ屋で借りたのも、その辺を借りた。

週刊少年ジャンプで見たのは、空島〜ウォーターセブン〜デービーバックファイトの辺り。一味解散や新世界編になってから、ONEPIECEから距離を置いていた。

一番やりこんだゲームは、トレジャーバトル(ゲームキューブ)。誰もこのゲームのことを言わないが、メインモードの「トレジャーバトル」は2対2で、宝箱を自陣に一定時間置いたら勝ち、というもの。3D格闘ゲームなのだが、立ち攻撃から立ちしゃがみ空中パワー攻撃へのコンボ、基本的に運動能力の落ちる宝箱を持った状態の立ち回り、KO待機時間によるキャラ強弱の解消(体力のないウソップは4秒で復帰するが、最強キャラのミホークは18秒もかかる)など、ヘタな格ゲー顔負けのバランスのとり方をしている。

トレバトのことをこのまま書くと、それだけで一記事書いてしまうのでこの辺でやめておくが、小さい頃からそれなりにワンピに触れてきたことが伝わればいいと思う。

そしてONEPIECEを一からジャンプリミックス(コンビニに置いてある極厚バージョン)で読み返してる訳だが、表題の問題に直面したのである。



①ゾロVSミホークって、ここじゃなくてよくない?

よく考えてほしい。後からふりかえるとここで料理人のサンジが仲間になり、海賊船において「これ、どうやって生活してるんだ?」感がなくなるパートである。

つまり、究極言うとサンジに思いっきりフォーカスしていい場面である。

代替案を考えるなら、クリークの船はミホークに切られる、というところは守ったにしても再度強襲されることなく戦闘を進めても差し支えない。

ゾロも、キャラそのままにギンやパールと戦い、サンジは「な、なんだコイツら……」役でも話は通る。

むしろいきなり船を真っ二つにしながら登場し、クリークの非道さの流れを思いきり遮って始まったゾロVSミホークは、改めて見ると「バラティエを渡すか渡さないかの時に何しゃしゃり出て決闘してんだコイツら、しかも大ケガしてんじゃねぇよ」と感じなくもない。

あまりにここが名シーンになりすぎて、誰もツッコむ必要がないのである。

でも別に、グランドラインに出て島に上陸した時にミホークが居合わせてもいいし、ローグタウンに行くまでに事件が起きてもいいのである。

バラティエを巡って他人が争ってる時でさえこの2人は決闘するんだから、ヒマな時に自然と決闘するのは当たり前である。とりあえず会わせれば決闘する。

よく、デービーバックファイトはどこに差し込んでもいいエピソードではないか、と言われる。

このゾロVSミホークも、同様なのではないか。



②「信念」という軸から見るバラティエ

初期のONEPIECEを見て感じるが、どんどん長くなる移動(これは、戦ってる場所にすぐたどり着けない!みたいな描写のことを指す。)とバトルシーンに比べると、あまりにもバトルが短い。

それよりも、過去のエピソードがバトル中にはさまったり、その場所で何が問題になっているのか、その場所を支えてきた人の想いはどんなものか、に比重を割いている。

これはONEPIECEをよーく見ると分かるが、他のマンガよりも、戦いのやり取りの手段が本当に少ない。そんな手があったか!というより、「ゴムゴムのピストル!!」という必殺技が、気持ちよく描かれている。


じゃあ何で決まっているのか?
それが「信念」である。
大体、過去エピソードが敵味方共に描かれ、その想いの強さで決まっている。
覇気なんて、その概念を数値化するための苦肉の策なのではないか。

そして、ウソップが仲間になるまではなぁなぁに描かれていた「信念」という軸が、このバラティエ編でハッキリするように感じる。

ゾロは泥だらけのおにぎりを食べて、世界一の剣豪を目指して、なぜかルフィについて行く。村についていたウソを、ウソのままにする、というウソップも、なぜかルフィについて行く。

信念を尊重し、それを命をかけて押し通す。ルフィは、人助けというよりかは、その後押しをする人物である。

すると「だましうちのクリーク」が、「バラティエを守る」という信念をもったコック達を曲げようとする図ができる。

そしてそのバラティエを作ったゼフは、「オールブルーという夢をもって航海をしたが、漂流生活を経て、海の上で飢えないレストランを作る」という信念をもつことが語られる。

これまでルフィが助けて来た人物は、海賊に関わる信念をもっている人物が少ない 。平和に過ごして医者になりたいカヤや、バギーに襲われたくない村長などである。



③バラティエ編の中でのサンジの変容

改めてバラティエ編を見ると、サンジのヘタレ具合に驚き、また、くすぶっている描写がうますぎ問題に気づく。

まず前者だが、サンジはルフィの行動に割と何でも驚く。

上から落ちてくるとか何してんだお前!とか、前から突っ込んだらヤツの思うツボだ!とか。

そしてこのサンジの常識発言のピークが、実は表題のゾロVSミホークにあるのである。


原文ママ:クソ野郎イカれてるぜ……!!相手は本物の世界一だぞ
結果は見えてた……!!!
死ぬくらいなら野望を捨てろよ……!!
「簡単だろ!!!野望捨てるくらい!!!」

これ、この後のサンジの行動からは考えられないセリフである。だって「バラティエを渡すか、ゼフの命か」と迫られて「ギン、そのピストル、俺に向けろ」である。

コック達は漂流した事も知らないから、ギンやクリークに食わせるのも批判を受けながら続けている。

それは、サンジが「腹を減らしたヤツには食わしてやる」信念を曲げられないからである。そいつに殺されるかもしれない、それでも食わさずにはいられないのである。


お前が一番信念を曲げられない人種やんけ!


そしてルフィに、「死ぬことは恩返しじゃねェぞ!」とたしなめられる。

信念の貫くのは、その方法じゃない、方法が違うのは分かるけど、具体的な方法を思いついていないのがルフィらしい。

そして気づくとゼフが「ハラに括った一本の槍が、アイツにはあるように見える、そして、それをハラに抱えたままくすぶってるヤツがいることも知ってるがな。」と話している。

このセリフ、読者からすると、「ゼフはいい匂わせをするなぁ」と思える。作者からすれば、「ふっふっふ、まいた種がうまく咲きそうだぞ」になる。大成功である。

だってゾロVSミホークのおかげで、この信念の話が読者に何となく通じているから「え?一本の槍?腹に括ってる?急に何言ってんだじいさん?」にならないのである。

こんなにも分かりやすく血だらけになって信念を貫くゾロを描くことが、サンジの変容をより分かりやすいものにする。

ハラに括った一本の槍を、これ以上なく受け入れてもらったサンジは、ルフィについて行くことを決意する。

バラティエのコックにも、ゼフにも素直に言えずに括った「目の前のハラすかしたヤツに食わせるコックの信念を貫きながら、夢のオールブルーを探す」ことを、ルフィは真剣に受け止めた。それを命をかけてクリークをブッ飛ばすことでサンジに証明したのである。



④まとめ

ゾロVSミホークは、ONEPIECE世界における「信念の強ぇヤツが勝つ」という原則を、敗北という形でルフィ海賊団に教えた初めてのイベントである。

そして大きくとらえれば、サンジが仲間になるのに、影響を与えたイベントでもある。

ちなみに、自己犠牲をはらんだ信念、というところでやっぱり一番いいキャラはサンジだと思う。

蹴り技と料理人という、強さとホスピタリティ(看護力)を兼ね備えたサンジが一番カッコいい。

そのサンジが、ほぼ主人公であるところのホールケーキアイランド編というのがあるらしいな。


そこだけ別で買って見るか……。


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腹が痛いことを伝えると、ちゃあんと薬がもらえた。入院して唯一の利点が、診察がタダ。売店に行く。全てのペットボトル・お菓子が2割増し。ボールペンも120円だったが、思い通りのペン先でうれしい。

『ようこそ、わが家へ』というよりか池井戸潤。ほぼ半沢直樹。半沢と不審者事件が並行して進む半沢だった。でも、なんかスっとする読み終わり。だけど想いが全然残らない。逆にすごくないか。

『どうしても生きてる』の「置かれた場所で咲きなさい」の先に来た。置かれた場所で枯れたらどうすればいいのか。話す相手はいない。接ぎ木をするのか、種をまくのか、諦めて枯れるか、根っこからもぎ取られるか。咲けるだけいいんだよな。

気づけば昼寝しないで4日ほどたった。車、運転してギリいいかな、そんなくらい。多分、はっきり運転できるくらいが退院のメドだろうか。そんなものは関係なく、12月の末まで入院して、同額でより長く入院しよう。オレはケチなのだ。
夜も早く寝ないように、『エア・ギア』が思ったよりオサレエッチな漫画だが、自分が思ったより、オレは靴が好き、ということを合わせると楽しく読めると思う。

痔はまだマシになってきた、気がする。それよりも布団と普段の服から、いわゆるしみったれた臭いがし始めるのが気になる。5日くらいたつとする。不思議だが慣れる。あと、売店で買った「クラフトボス ダブルラテ」、やっぱり薄い。クラフトボスはもうホントに、信じない。


頼もしい、一歩。

今日もふて寝。陰のう湿疹がかゆい。けど、明日シャワーすればよくなりそうだからいいことにする。ケツ穴の違和感がマシになったけど、腹はイマイチ。夕食後に痛んで、硬い便の後に下痢。とりあえず温めておくためにベッドで過ごす。


『恋とそれとあと全部』The・小説、といった作品。10作目にして入門のような読みやすさ。2人とも、自分の気持ちに結論は出ないのだけど、付き合う、という選択をする青さ。自分を振り返ると、青いまま結婚してしまったのではないか。それをいい悪いではなく、受け止めて、進んだり戻ったりしていけばいい。
『腹を割ったら血が出るだけさ』のレビューを見ていた。樹里亜も茜寧も、表と裏を受け入れる出来事が文の最後にあり、それがカタルシスにつながっていることは間違いない。自分はどうなのだろうと考える。ずっと茜寧のような気持ちでここまで過ごしてきている。今、ストップしていること、仕事を辞めようとしていること。これが表と裏を合わせることになるだろうという期待と、諦めが同時にある。なぜか、変わらないだろうという気持ちが行う前にもうある。ただ、ペルソナをたくさん付けかえる必要は絶対に減り、気持ちは楽になるだろう予感はする。あーどんどん辞めたくなってきた。単に再起できるのか、という話ではなくて、人生の必要な選択として必要な気がする。留まることもまた、後退であるので。


頼もしい、一歩。

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