剣と魔法の物語の世界。魔王を倒した勇者のパーティの一人であったフリーレンは、勇者の葬式に参加していた。「......アイツは何にでも感動していたな。」フリーレンは、パーティ内で唯一のエルフ。他のメンバーの数百倍の寿命があり、この旅も、とてもとても長い人生の、ほんの一部。趣味でずーっと集めてきた魔術によって、パーティを支えてきた。「まあ、元の魔術書集めに戻るか。」
しかし、勇者を弔った日から、なんか変だ。今まで、「ああ、町だ」としか思っていた町が、「あの町で、アイツらは変なことをしていたなぁ」と、一つひとつの町が「ただの町」として片付けられなくなってしまった。......おかしいな。でも別に、魔術書を集めるのに支障があるわけでもなし。いろいろな場所をまわっていけば、そのうち理由がわかるだろう。
いろいろな町をまわると、先の旅で行った痕跡が残っているものだな。町の人が勇者を覚えていたり、なんだったらフリーレンを知っている人までいたりする。あーあ、また魔物に襲われて困っている町にきちゃったよ。ま、ほっとくのも後味悪いし、できるところまで助けてやるか。
フリーレンの名を聞いて、魔物の軍勢は震え上がった。彼の者の放つ魔法に触れたが最後、いかなる魔物でも消し飛んでしまう。当然、数多の魔物が魔法の前に消し炭にされている。ついた二つ名はーーー
『葬送のフリーレン』