カテゴリ: 読み物


【WBSC eBASEBALL パワフルプロ野球】というゲームがある。インターネットのダウンロード買い切りソフトで、なんと!100円で買える。買った直後こそ、ヒドいラグを感じてプレイする気が全く湧かなかった。しかし、時を経てプレイした今、改めて、100円でイライラを買ったみたいで、とても悲しくなっている。

以下は、ストレスフルだった点を書いていく。このパワプロ、安くて試合集中で好きなのに......という方は、閲覧注意です。





【目次】
① バッティングの読み合いが読み合いになってない。
② ピッチングの読み合いが読み合いになってない。
③ その後







【① バッティングの読み合いが読み合いになってない。】

 相手のボールが速い、これはまぁいい。ミートが大きい選手を使っているが、すっごいカス当たりが多い。これ、ボール玉を打っているせいかなと思ってちゃんと振らないようにしても、あんまり強い球を打てない。「ミートを大きく設定されている選手」のイメージが、相手がどんなボールを投げてもボールをカットし続けてファールを打って、いい球を待つイメージなんだけど、すぐ弱いゴロがフェアゾーンに飛んで処理されるのがすごい不愉快なんだよな。もう三振になった方がいいんじゃないかとも思っている。

 強振を使うと、まずボールに当たらず、ミートを使うとずーっとカス当たりになる。もうおもろくないやん。

 バッティングって、能力が低くても真芯に当てるかどうかが重要じゃないんか。雲海の改造ストレート(ホワイトストーム)を低めに投げられ続けるだけで打てないって、ゲームとして破綻しているとしか言いようがない。そしてそれを破壊するのがファール粘りでスタミナ切れ狙うとかじゃないんか。読み合いが読み合いになっていない、返す方法がない一方的な蹂躙になっているのは、正におもんないんじゃ。



【② ピッチングの読み合いが読み合いになってない。】

 当たり前なんだけど、相手のミートカーソルが見えないので、どこに目付しているのかとか、タイミングが合っているかとか、全然参考にならない。最初、最後のミートカーソルの位置で選手の首の動かし方(振り向くとか、内角投げられてのけぞるのか)が変わるのかと思ったら、何も変わらない。

 そして、相手にはひったすらホームランを打たれる。ヒットではなく、ホームランばかりなのである。パワプロなんだから、別にプロレベルで打てない設定じゃなくてもいいんだけど、自分はあまりにも打てないし、ヒントもないのに相手だけはポンポン打てて、イライラしかしない。

 顔を突き合わせた対人戦だと、相手のミートカーソルが見える。なので、ピッチングのしがいがあるというか、相手の裏をかいている感が伝わるではないか。そのピッチャーをさらに読んで打つ、というのがパワプロあるあるではないのか。

 しかしこのゲーム、バッターはバットを振らなければリアクションしないので、ずーーーっと動いていない相手がいきなりホームランを打つ、ということが繰り返される。コレがもう本当になんとも言えないイライラをもたらすのである。

 打たれすぎて気づいた、これ相手みたいにボール球を打たせてゴロにすればいいと。フォアボール覚悟で延々内角低めに投げる。一球目空振り。相手もずっと強振なので、そのまま130キロ後半のスライダーを投げていると、乱数で明らかに斜め下に外れた。



「「「ガツーン!!!!!」」」



 もうでっかい声で、「いやいやいやいや!!!」と。

 ボール球連発の攻略方法は、さすがに「フォアボール狙いで振らない」じゃん。強振でストライクゾーン外のボールに当たらないようになっているようにしか見えないじゃん。その明らかなボール球をホームランにされるのは、完全にゲームに見せかけた蹂躙じゃん。



③ その後

 いろいろなブログを見る前から、ロックオンレベルを最大にするといいのだろうと気づき、した。ゴロの山である。「ファールでカット」ということができないので、タイミングがよくないとヒットにならないということなのだろうが、そこが一番難しいのに、なぜシビアなのか。本当にゲームになっていない試合しかできなかった。

 ピッチング2度押しでベストピッチ連打しないと話にならない、という記事もあったが、このベストピッチ、スタミナ毎にタイミングが変わるというのも本当に苦しい。あまりにも初心者お断りすぎないか。ホームラン連打されていたのは、ベストピッチじゃなかったからってこと?何のためのピッチャー能力なのか。

 ちなみに、この記事を書いた時点で1勝10敗である。イライラしかしない。ソシャゲみたいなもんかと思っていたが、プレイ人口が少なすぎてもう何千戦もプレイしている修羅と平気で当たってボコされてしまう。さすがに、インターネット対戦が悲しみを生んでしまっていると思わずにはいられなかった。


安すぎて普通の通販サイトには載っていないので、公式サイトリンクを載せておきます。

https://www.konami.com/pawa/wbsc/ja/


うーん、全くやる気が起きなくなってシーズンを終えた。なんか、これじゃないんだ、これじゃない最終日だった。

その上で何が書けるかと言えば、反省しかないのでただただ書いていく。

まず、前期構築を見て使ってみたいというポケモンたちがいて、それを使っていた。なんというか、構築の完成度が高すぎて、少しでも崩して改善するイメージが全く湧かなかった。後述するどちらの構築も、全部のポケモンを広く選出するタイミングがあり、ポケモンを組み替えてこれからの環境に合わせて対策するイメージが浮かばなかった。

ということで、最終日もこの2つの構築を使って、ダメだったら別の構築で、と思ったのだが、どちらも対策にひっかかりまくった(前期上位なので当然である)ので、やる気を失った。

ということで、使った構築をまとめ、それを対策してきたポケモンを書くことで、今回流行したポケモンはこれじゃないか?という主張を書くことにする。

こりゃねぇよとブーブー文句を垂れる文が続くので、そういうのが苦手な人は今回は見ないでおいてください。と、予防線を張っておきます。



【目次】

・使用構築
・メタられた新型ポケモン
・おわりに



【使用構築】
当然無許可であるので、問題等ありましたら削除します。
ポケソルテキスト(https://sv.pokesol.com/calc)を使っています。ぜひとも使ってみてください。
繰り返しますが、どちらも使用感がとてもよく、自分が使っていてもシーズン中盤まで1000位台に安定して残ることのできる神構築でした。


①シーズン19 1位 うわっきーさんの構築
https://mega-salamance.hatenablog.com/entry/2024/07/02/010149



コライドン @ とつげきチョッキ
テラスタイプ: ほのお
特性: ひひいろのこどう
性格: いじっぱり
201(204)-198(196)-136(4)-94-122(12)-167(92)
フレアドライブ / ニトロチャージ / ドレインパンチ / とんぼがえり

ハバタクカミ @ こだわりメガネ
テラスタイプ: フェアリー
特性: こだいかっせい
性格: おくびょう
149(148)-54-88(100)-179(188)-156(4)-180(68) *A0
ムーンフォース / シャドーボール / ドレインキッス / ほろびのうた

ヘイラッシャ @ たべのこし
テラスタイプ: ほのお
特性: てんねん
性格: わんぱく
257(252)-120-176(196)-76-93(60)-48 *S16
まもる / あくび / ウェーブタックル / じわれ


ガチグマ(赫月) @ きあいのタスキ
テラスタイプ: ノーマル
特性: しんがん
性格: ひかえめ
189(4)-67-140-205(252)-85-104(252) *A0
ブラッドムーン / だいちのちから / しんくうは / あくび

グライオン @ どくどくだま
テラスタイプ: はがね
特性: ポイズンヒール
性格: わんぱく
179(228)-115-165(36)-58-126(244)-115
じしん / みがわり / まもる / どくどく


ハッサム @ こだわりハチマキ
テラスタイプ: ひこう
特性: テクニシャン
性格: ゆうかん
177(252)-200(252)-121(4)-75-100-63 *S0
バレットパンチ / とんぼがえり / はたきおとす / ダブルウイング

自分が特に好きだったのは、シーズン19で自分が使った電気テラチョッキコライドンから明らかにレベルアップした炎テラ二トチャチョッキコライドンで、並み居るポケモンをぶち壊していくところである。ペリッパーで天候をとってくる相手にとんぼでテンポをとって半減フレドラで吹き飛ばした時は興奮した。

ハッサムもはたきとダブルウイングがめちゃくちゃ偉くて、はたきでゴツメや食べ残しをバチバチはたいた後に抜いていくの本当に天才だった。

あとはグライオンがこんなに使えるポケモンだったのか、というのもこの構築で初めて理解した。初手守るで毒って引くパターンと、後手から引き先として出して効率よく毒っていくパターンと、使うにつれて定石がわかっていくポケモンだなと思った。



②シーズン19 4位 ふかさんの構築
(https://fukada1215.hatenablog.com/entry/2024/07/03/120520)


ミライドン @ こだわりメガネ
テラスタイプ: フェアリー
特性: ハドロンエンジン
性格: ひかえめ
207(252)-94-120-187(116)-135-173(140)
イナズマドライブ / りゅうせいぐん / パラボラチャージ / マジカルシャイン


ウーラオス(連撃) @ こだわりハチマキ
テラスタイプ: みず
特性: ふかしのこぶし
性格: いじっぱり
177(12)-195(220)-151(244)-74-81(4)-121(28)
すいりゅうれんだ / インファイト / アイススピナー / アクアジェット

オーロンゲ @ ひかりのねんど
テラスタイプ: ほのお
特性: いたずらごころ
性格: しんちょう
202(252)-140-109(188)-103-114(68)-80
ソウルクラッシュ / でんじは / リフレクター / ひかりのかべ

テツノワダチ @ とつげきチョッキ
テラスタイプ: ゴースト
特性: クォークチャージ
性格: ようき
189(188)-133(4)-141(4)-82-120(236)-149(76)
じならし / はたきおとす / アイアンヘッド / がむしゃら

メタモン @ きあいのタスキ
テラスタイプ: フェアリー
特性: かわりもの
性格: なまいき
155(252)-68-68-68-110(252)-47 *S0
へんしん

ゴチルゼル @ ふうせん
テラスタイプ: ゴースト
特性: かげふみ
性格: ずぶとい
177(252)-67-161(252)-115-130-86(4)
サイコノイズ / めいそう / ちょうはつ / ねむる

ミライドン構築の宿命、ドラゴン電気の一貫しない問題を、壁で解決して、メガネ火力を押し付けるのが強すぎる。パラボラチャージのゴリ押しが気持ちいい。

水ウーラオスが、いつの間にか通っている。最終局面で水テラス水流連打でぶち抜いていくの気持ちよすぎだろ。

ゴチルゼルも初めて使うポケモンだった。かげふみは使う側もかなりの択ゲーになるのだと痛感。ぽいぽい投げるポケモンではなく、そもそもぽいぽい投げる必要のない組み方をしてあるので、自分としては本当に勉強になったと思う。ラッキーをハメても、急所にビクビクする感覚があるというのは、使ってみなければわからないことだった。


これらの構築がなければそもそもシーズン通してプレイしない可能性もあったので、ありがたいな、という話。



【メタられた新型ポケモン】


○電気テラスホウオウ
各々伝説枠は新型や、再評価されるものがいくつもあったと思うが、この電気テラスホウオウだけは別物である。

まず、ホウオウが入っている構築は割と受ける方向性にあり、ホウオウラッシャみたいなポケモンに、カミが組み込んであることが多かった。

そしてそれをミライドンでバチバチ殴ったり、飛行テラスハッサムでバチバチ殴ったりしていた。

しかし、シーズン末期にこのホウオウに複数回当たり、いやそれだけはムリ!いやそれだけはムリ!と繰り返しつぶやくハメになった。

まず、どちらも強い地面技のない構築だったので、有効打があまりないこと、なのに対ウーラオスや対ハバカミなどの性能が全く落ちないこと。これまでは草テラスや妖テラスなど、テラス後に苦しくなるポケモンが発生することが多かった。

ミライドンで妖テラスを切ると余裕をもって受けられる、炎テラコライドンにはブレバ地震でテラスしてもしなくても有効打がある、毒を撒いても再生力、なんだったら自己再生もある、普通に崩せなかった。


○ムゲンダイナ
択すぎる。大会で結果を残したムゲンダイナは受けループに入っているものだったが、当然メガネもいるし、食べ残しもいる。

殴ってくる型を切って、ゴチルでかげふみした瞬間降参をもらった以外は、まず負けていた。

ずーっとうだうだコスパ自己再生毒々されるイメージなのに、気づくとダイマ砲火炎放射ヘド爆どれかを打たれて一体持っていかれて、受けポケにずーっと受けられるのが不快だし、どうすればいいんや感が強すぎる。

いわゆる「テラスを切らせる」というのも、なぜかダイナにはできず、ミラコラ相手に突っ張ってくるダイナも一定数いて、自分が勝手に疑心暗鬼になってしまい、順張りの行動ができなかったり、受けがガチガチすぎて一生崩せなかったりした。

なんなんだろう、この「何やってもいなされるんじゃないか」感は。そして自分で使うとたいていうまく相手の型にかみ合わせられなくて勝てないんだよな。毒タイプキライ。


○はたき落とすグライオン
対ゴチルゼルとして、挑発がいるのは知っていた。しかし、地震を切ってはたきワンウェポンというのは思い切りすぎではないか。相手の身代わりどうすんだよ。

ゴチルゼル側は素早さで負けていて、防御極振りでも4回で倒れる。そこでこちらが瞑想→補助技を挑発で潰される→サイコノイズ連打だと、ギリギリ相手を倒す前にこっちが倒れてしまう。挑発読み攻撃技でいいとは思うのだが、苦しい。相手はこっちのアイテムに左右されないのに、こっちは挑発持ちかどうかわからず、地震なのかはたきなのかもわからず。

ちなみにこだわりスカーフもってフェアリーテラバしてくるグライオンにも当たった。おもしれーポケモン。


○積みコライドン
前期のチョッキコライの対抗として多分流行ったんだろうと思う、ビルドや剣舞を搭載したコライドン。ニトチャ、スケショも搭載していて、素早さもカバー。素直にすげー、と思った。

これまでも、スケショ鋼テラみたいなコライドンがいるとは思っていたが、かーなーりのコライドンが積み型になっていた。

メタモンか……。


○絶対毒まくキラフロル
これまでもずーっと毒菱は注目されてきたが、特殊技で回避する、ということもまた行われてきた。使用した2構築とも、毒を拒否する方法が対面的なものであり、構築単位で対策しているものではなかった。

ガチグマを出して、大地で圧をかけようとした瞬間、草テラス毒菱。キラースピンしながら退場。特性は毒化粧。いやどんだけ毒に技スペース割いてるんや。

これまでは、絶対ステロ撒いていたのだ。絶対。毒菱にこんなに賭けてくるキラフロルはさすがにいなかった。

ガチグマにハイボがないので、グライで詰まされた。苦しい……。


○ミラコラ許さないガラルマタドガス
これも、今までいたのだ。

気づくと、食べ残しを持ってメガネミライドンの前に出てきて、ゴリランダーと組んで全対応される。

気づくと、ゴツメを持ってコライドンとハッサムに同時に削りを入れてくる。

毒菱かなーと思ったら毒々、じゃあ始めから鋼タイプ出しときたかったよ。

じゃあ伝説出さない、パワーなさすぎる、ムリ!

そしてマタドガスがいる構築は、たいていミラコラ。相手は影響を受けない。それも不快。



○無限のパオジアン
あらゆる技を持っているパオジアンというポケモン。

当然持っている、つらら、かみ砕く。先制技、つぶて不意打ち。これもどっちも持ってます。

電気テラス。ラッシャに交換読みで打ってきます。

カタストロフィ、瓦割り。当然壁対策です。

剣舞。実は標準搭載です。

絶対零度、上振れ要素です。

技9個です。どのパオジアンも、全部これらを持っているように見える。

対面、崩し、役割破壊、すべての可能性を一体で担う。

できないことはサポートくらい。

もちろん、こっちが嫌な型な時だけ出てくるのはわかる、わかっているが、心境として切ることはできない。

カミは炎テラコライドンでほぼ何とかなるのに、剣舞ステラパオの不意打ちで、死に出しテラス済みコライが吹き飛ばされた時は心折れました。



【終わりに】

今月、なぜかパオジアンがどんどんどんどん好きになっていた。なぜかはわからない。強さの象徴が、カミカイリューからパオジアンに変わっていった。

ムゲンダイナとパオジアンの、技枠とっぱらいがぬぐえない限り、しょうもな感はなくならないのだろうか。

シーズン全体の取り組み方としては、レンタルに振り回されてしまったのが正直なところか。レベルの高いレンタルにあぐらをかいてしまい、向上心を失った。パーティをブラッシュアップしていく、いろいろなパーティを使いこなしていく、そういう遊びがなければ、なかなか楽しくプレイすることはできない。

しかし、いい構築でグライやゴチルを使えたというのは、経験としていいなぁと思う。あとメタモンもか。こういうポケモンは、稀に強烈に環境に刺さるので、手札として持っておいた方が強いのはわかるが、使ってみる勇気はなかなか出ないので、そういう意味ではいいシーズンになったのではないかと思う。

次の月末は、絶対最後に頑張るということができない。趣味としてのポケモンバトルは、やらないかなぁと思う。やるとしても真剣に、考えて、メモって、ということはやらないなぁと思う。

いやー、趣味として続けるには、体力的には簡単だが、時間的には難しい、それがポケモンなのかも。


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メイン
最終7213位
レート1668


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サブ
最終4767位
レート1706


500ページを超えるこの本を読み切った感動で、この書くことにする。この本のあらすじとしては、ピアノコンクールに出場する4人の登場人物を軸に、それぞれの心情を描いている。

恩田陸のもつ傾向として、心の中の描写が「個人的に」退屈である。他に『天地人』『まひるの月を追いかけて』の2作を手に取ったが、それは非常に退屈に感じてしまった。

なぜなのかと分析しようとしてみる。恩田陸は客観的事象を描写することには非常に長けている作家さんだと思う。薫風の吹き抜ける大草原、厳かな山岳、おおらかさと荒々しさを同居させている海、こういった描写があるたびに、ふぅっとため息をつきたくなる。

それが人物の内面の描写になると、客観的立場に立ちすぎて、解釈を一定にしたすぎて、なんだかもう疲れてくる。それは、ONEPIECEの回想が何話にも渡って行われて、今何に立ち向かっているのかわからなくなってしまうような、FF13のような一本道、操作よりムービーシーンの長いゲームのような、涼宮ハルヒの憂鬱のエンドレスエイトのような、必要なのはわかる、わかっているんだけど読者の勢いをそいでしまう何かがある。

本著はこの2つの恩田陸の特性とミラクルに合致した作品であり、間違いなく読んだ方が読書経験としてよいと感じた。

客観的事象を描写する美麗さが、ピアノコンクールの演奏時の美麗さにそのまま直結している。私の経験上、本著のような音楽経験は全くないのだが、それぞれのコンテスタントの描写は、なぜか魂に伝わる。ピアノの繊細さ、鳴り方の雄大さをを事細かに語ってくれる。ピアノを弾いている時の心理描写がほとんどなく、他の誰かから見た評価というのが重要で、これは小説だからこそできた表現である。このことにより、それぞれのコンテスタントのすばらしさを読者に効果的に伝えることができている。

人物の内面を語る長さについて、この攻略法が、多様な主人公を用いる、という物量での解決を行っている点が、本当に唯一無二であると感じている。普通、物語というのは明確にそれを語らせる主人公が設定されていて、それが複数いるということ自体が物語のウリであることさえある。多くても2、3人だと思うのだが、本著は、三枝子、マサル、塵、奏、明石、亜夜、これらの視点を巧みに使い分けなければならないので「一人の登場人物の内面を延々と語る」のが不可能になった。それをすると、誰かの視点が不要なものになってしまい、それは本著のコンセプトに反するのである。

しかし、そんな作品の中で、あえて主人公は誰かを探ってみることにする。そうすることで、また一つ感動の要点のようなものが掴めるような気がするのである。

以下は莫大なネタバレを含むので、注意して閲覧してください。
















① 栄伝亜夜
一番、「この人のためのストーリーである」と言い切りやすいのは、亜夜だろう。幼少期に挫折を味わい、今回のコンテストに参加することで、塵、マサルと会い、そのかかわりと、何より演奏に触れて、幼少期の挫折を乗り越えてこれからの未来に明確につながったコンテスタントである。

登場人物の関係図を作った時に、亜夜を軸に関係が作られていることがわかる。塵とマサルは互いにひかれあうものはないし、明石と亜夜の関係は生まれれど、明石とそれ以外のコンテスタントのかかわりはほとんど描かれていない。

亜夜を引き上げた塵とマサルの圧倒的な実力は、眠っていた亜夜の才能を再び呼び起こすには必要だった。それは、ナサニエルと三枝子の会話から簡単にわかる。

心のコンプレックスが圧倒的に解消された、その一人である。


② マサル
一方、このコンプレックスの解消、という面においては、マサルもこの作品内で大きく成長している。もともと才能がありながら、その努力の過程が多く描かれたマサルは、最終的に作曲、新時代のショパンになる、という自分の目指す方向性をこの作品の中で見つけることになる。

もともと自分の中にくすぶっていた火が、このコンテストを通してちゃんと燃やすべきだ、燃やす環境は、自分で切り開くべきものなのだ、そんな心の流れをたどる。

その心の流れは、亜夜との再会、塵との出会いによるものであり、なんだかんだ心境の変化が描写された人物の一人である。


③ 明石
出ました、社会人の味方。実力自体は高いものではないのかもしれないが、日本の大人から見ると、この明石に共感するところが非常に大きいのではないのだろうか。

雅美のインタビューの中で、生活者の中の音楽をやりたい、と語っているように、ほぼ自分の方向性があって、でも舵を切り切れない自分の中の葛藤と戦う様が、やはり現代日本の読者の中にあるものとほとんど同じなのではないだろうか。

情報はある。情熱もある。可能性もある。信じ切る力だけがない。そうやってくすぶる人のなんと多いことか。

明石にとって、このコンクールに出場すること自体がチャレンジであり、カンフル剤であり、勇気づけであった、それは明白である。


④ 塵
この物語の中で、塵が蜜蜂であり、遠雷である。それは間違いない。塵が戦っているのは、師匠との約束である。この物語の中で、塵は、登場人物を媒介にして夢と対話し続ける。生け花、調律師、他の人物が関わらない事象ともかかわって、音楽を外に連れ出す、音楽を外に還元することの真実を追求し続ける。

圧倒的な実力と、これまでの音楽にとらわれることのない演奏で、批評家たちの意見を真っ二つにする様子は、明らかに雷であり、この物語にアクセントとして、大きな広がりをもたらしている。


⑤ 三枝子
コンテスタント外から、この三枝子を取り上げる。他のコンテスタント外の人物はあくまでコンテスタントにぶら下がる形で存在しているのだが、三枝子のみ、始めと終わりを司る重要な人物であるため書いておく。ナサニエルとの関係において、この作品内で心情が変化する。それはユウジの形見である塵の演奏であったり、コンテスタントの進化であったり、飲み会の度にこまめに心情が描写されていくところに過程が現れている。


とりあえず、候補を出した。以下は、物語における主人公の役割について考えていく。

【心情が語られているのが主人公?】

小学校中学校で学習する物語や、夏目漱石「こころ」など、徹底的に心理描写が主人公に限られている作品は多くある。基本的に主人公の語りで進み、不思議な行動の確信が犯人から語られることも、この主人公イメージに近い。

ただ、『蜜蜂と遠雷』に置き換えると、6人以上の人物に当てはまってしまうのでうまくいかない。


【タイトルに書かれている者が主人公?】

『桃太郎』『ドラえもん』『暴れん坊将軍』『名探偵コナン』『ハリー・ポッター』などたくさんの作品が、主人公となりそうな人物の名前をタイトルに据えている。前述したように『蜜蜂と遠雷』は塵を表していることは当然だ。

しかし、この論には当てはまらない作品もたくさんある。ミスリードというやつである。

先に挙げたものの内、『ドラえもん』は、実はドラえもんの心理描写よりものび太の心理描写の方が多いような気がしてくる。映画版『ドラえもん』は、必ず『のび太の』と、タイトルにのび太が付く。

つまり、『ドラえもん』の主人公はのび太なのだが、『その話で活躍するもの』をただタイトルに据えている場合がかなりある。

このパターンの作品は、パッと思いつくものが本当にたくさんある。『ドラゴンボール』で主人公が悟空、『シャーロック・ホームズ』で語りが助手のワトソン君、『鬼滅の刃』で主人公が炭次郎、『エヴァンゲリオン』で主人公が碇シンジ、『機動戦士ガンダム』で主人公がアムロ・レイなど枚挙にいとまがない。

もちろんドラゴンボールやガンダムや日輪刀は、物語を構成する重要なアイテムではあるが、もちろん心情なんてものは存在しない。

タイトルが塵を現わしている、じゃあ主人公は塵だ!と結論づけるのは早計である。

『蜜蜂と遠雷』における塵というのは、主人公なのか。それともキーアイテムなのか。


【それぞれの登場人物が我々に語りかけるもの】

それぞれの人物は、ある存在を代表しているのではないか、ということは以前日記に書いた気がする。

一番わかりやすいのは明石で、才能を称え、また自分も同じラインに立てるように努力する存在である。

一人の天才につき、何人もの明石のような存在が発生すると考えると、もうあらゆるコンテンツにおいて明石がいるのではないか、というくらいに普遍的な存在と言ってよい。

勉学、仕事、スポーツ、、、大体明石のような状態を通っている気がする。

亜夜は、才能があるはずなのに一度否定され、それを取り除くためにもがく。

マサルは、音楽を理解するということは、どういうことなのかわからずにいる。

塵は、師匠との約束に縛られながらも自由を求めてさまよう。


よーく見ると、少しずつ事情がずれているのだが、皆才能があり、努力してきた過去は同じである。

いくつか例えていく。わからなかったらwikipediaでも見てください。

『ドラゴンボール』
明石……クリリン
亜夜……ベジータ
マサル……フリーザ
塵……悟空

『ONE PIECE』
明石……ナミ
亜夜……サンジ
マサル……ゾロ
塵……ルフィ

『NARUTO』
明石……サクラ
亜夜……ナルト
マサル……カカシ
塵……サスケ

『名探偵コナン』
明石……毛利蘭
亜夜……灰原哀
マサル……服部平治
塵……新一(コナン)

『テイルズオブジアビス』
明石……ティア
亜夜……ルーク
マサル……ヴァン
塵……アッシュ


パッと考えたので、異論は大いに認める。
しかし、こう考えると明石の「実力こそあるが傍観者」というポジションのヒロイン力というのはかなり高いものがある。

つまり明石は共感を集めるが主人公らしくないということがわかった。

あと、塵だけが奇想天外、行動が読めない、と思っていたがマサルも近いものがあるように感じた。そもそも日本から出て行って、音楽界の中ではかなりの王道であるが、話の中では特殊すぎる経歴を持っているので、主人公というよりかは、『その話で活躍するもの』のカテゴリーに近い。

そうなってくると、素直に亜夜が主人公なのか。それが一番わかりやすいような気がしてくる。特殊な経歴なのだが、他の人物と違ってどん底からのスタートで、支援してくれる他者や、わかってくれる周囲によって引き上げられていく様子は、間違いなく主人公のそれであるように感じる。


大穴の三枝子という線を捨てることになってしまうが、仕方がない。


【最後に】

始めに「あえて」とつけたが、恩田陸は主人公を決めずに書き始めたのかもー、という考えがずーっとあるのは書き添えておく。中立の視点でピアノコンクールを描く、ということを決めて、ただただ人物がそれに従って動いていく。この見方ができるのも、作品のすばらしさの一つであると思う。コンクールに翻弄される人々、という見方である。

客観的事象を描くことが得意な著者なだけに、これを意図的に狙ったような気もしてくる。これでタイトルを『芳ケ江国際ピアノコンクール』にしないのは、やはりセンス、なのだろう。

でも、こんなストレートな結論で終わりにしてよいのでしょうか。また考えたら記事にしたいと思います。

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久しぶりにポケモンやってみるか、と思えたので、ほどほどにと思っていたが、最後の3日間くらいは生活をほぼ崩壊させながらやっていた。

禁止伝説1体環境はメタが貼りやすく、被選出予想も比較的行いやすいため、一戦で試行しなければならないシーンが少なく済むのがよい。構築も、なんかやってる感出てくるのがうれしい。



【目次】

・構築経緯
・個体解説
・選出
・嫌な相手
・おわりに



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レンタルは今月中は残しておけるように気をつけます。もう一歩足りないコライドンを使いたい方はどうぞ。




【構築経緯】

禁伝の中で使いたいものがなかったが、自分自身もある程度の削りを行え、パーティ全体の強化を行える……と考えていると、これまで晴れパで脱出パックコータス→ホムラみたいな流れ強いよなぁ、と過去の対戦を思い出し、「じゃあコライドンをコータスみたいに使えば強いんじゃね?」という考えに行きついた。

この構築のコライドンはコータスなので、後攻とんぼ返りから相手に合わせて可変的にエースを着地させ、圧をかけ続けて相手を落としていくことをコンセプトにした。ちなみに、終わってみて感じたが、このコンセプトは弱い。

ということでとんぼ返りするコライドンの後ろから出てくるエースを考えていく。特殊炎エースとして、始めはスカーフイーユイを使っていたが、コライドンは3回も後出しできないために引く回数を担保できないこと、コライドンを対策するために意気揚々と出てくる相手のタスキハバタクカミがウザすぎてカミにもっと強いエースを探した結果、スカーフテツノドクガを採用した。

次に、コライドンを受けるラウドボーン、カバルドンに圧倒的に強く、仕様として晴れエースとして使ってもらおうとしているウネルミナモを採用した。

物理エースがいないなぁと感じたので探していくと、こだわりハチマキエンテイがやれます、という顔をしていたので採用した。パオとカミに有利を取れる上、環境に炎タイプが少なく、火傷の追加効果にも魅力を感じていた。

最初は仮で放り込んでおいたヒスイガチグマを、ホウオウ軸やどくびし相手に出せそうだということになり、根性ガチグマを採用。

タスキを使いたいポケモンがここまでいなかったので、オオニューラ、パオジアンなどを試していって、結局カミだろうということになったが、相手にもカミが多くて同速やタスキなどの運ゲーいやだなぁと感じて、電磁波拒否、タスキでの耐えもケアできるということで地面テラス電磁波オボンのみハバタクカミを採用した。

考えても考えても、「遅いコライドンは、その魅力のほとんどを削っている」ことに気づけなかった。もう何もかも自分が悪いのだが、剣盾耐久振りザシアンのせいということにしておく。




【個体解説】

※ポケソルテキスト(https://sv.pokesol.com/calc)を使っています。ブログ記事を書く人、絶対使った方がいいです。ラクすぎます。

順に意味はありません。バラバラです。




テツノドクガ @ こだわりスカーフ
テラスタイプ: ゴースト
特性: クォークチャージ
性格: ひかえめ
159(28)-81-82(12)-211(252)-131(4)-157(212)
ほのおのまい / ヘドロウェーブ / オーバーヒート / マジカルシャイン

Hが16n-1
Cが最大
Sがコライドンの素早さ+1
余りBD


細かなマイナーチェンジを繰り返した蛾。

もともとこの枠はイーユイだった。しかし、そもそもチョッキコライドンが黒バドに弱くない型であること、ハバタクカミに後出ししたいこと、特殊高打点があることなどからドクガに変わった。始めは炎テラスだったが、カイリューに出せずに選出がゆがんでしまうことが多かったため、神速をスカせるゴーストテラスにした。

全体を削ってから炎の舞連打で抜いていく動きが強く、黒バドやルギア、テラパゴスなどをカモにできていた。日照り状態で高火力を出せ、日照りが終わるころには自分の特攻がマシマシになっている。ルギア構築に採用されがちなどくびしやどくどくも自然に無効化できるのも評価ポイントだった。

思ったよりもマジシャを打ちたくなるタイミングがなかったので、ほうでんやエナジーボールなどの方がよかったのかもしれない。

あと、チョッキミライドンには想像以上に無力なので苦しかった。

選出率4位。



ガチグマ @ かえんだま
テラスタイプ: ノーマル
特性: こんじょう
性格: いじっぱり
223(140)-211(252)-126(4)-58-101(4)-84(108)
からげんき / じしん / じゃれつく / ほのおのパンチ

Hが火炎玉最小(16n-1)
Aが最大
残り暁に抜かれないためS


埋め合わせの熊。

ホウオウやドヒドイデに詰まされないために採用。とんぼ返りと火炎玉の相性がよく、後攻とんぼから火炎玉発動、火傷していない状態で殴ることがほとんどなかった。

ぶちかましを採用していたが、防御がもろくなったことによる負け筋を重く見たので地震。これでほとんど困らなかった。

じゃれつくは無効化されない技として採用。黒バド+ディンルーや、ホウオウ+ドヒドイデなど、延々と無効化ジャンケンさせられることが多かったので、入れておいた。

炎のパンチはサイクルを形成してくるアーマーガア、エアームドなど飛んでる鋼に刺すための技。打つ回数こそ少なかったが、じゃれつくよりも勝ちに直結する一発になることが多かった。晴れ下の炎のパンチは、バカにならない火力である。

選出率6位。埋め合わせなので。



エンテイ @ こだわりハチマキ
テラスタイプ: ノーマル
特性: せいしんりょく
性格: いじっぱり
197(52)-183(252)-113(60)-99-96(4)-138(140)
せいなるほのお / しんそく / かみくだく / ストーンエッジ

以前の型の流用。

A最大
Sガッサを抜いているポケモンを抜く


炎物理担当。
晴れ化の聖なる炎で物理受け、炎受けを破壊する。

のだが、初手要因としての役割も多かった。コライドン構築にはハバカミを投げる、ヤバいところではパオジアンを投げる、という人が一定数おり、こだわり聖なる炎で上振れればタスキごと貫通することも多い、頼りになるポケモンだった。

カミはシャドボ、ジェム、電磁波、甘えるなど本当にいろいろな初手から入ってくる。ワンパンされたらメガネ、補助技から入ってきた場合は聖なる炎火傷込みで甘える痛み分けでも貫通して倒していけるので、ワンポイントみたいなカミが入っている構築にはいろいろな誘惑を断ち切って初手投げしていた。

カミに電磁波されても焦らずに。カミを倒した後に一度引いて神速で抜いていく役割も持つことができるので、丁寧に扱えるかどうかが命運を分けるポケモンだなぁと思う。

黒バドを倒せ、無効タイプのないかみくだくは、あまり選択するタイミングがなかった。そもそもバドの攻撃を耐えるようになってないので、黒バド自体を倒せたこともあまりなかった。

入れる技がなかったので入れたエッジは、初手対面したホウオウに打った。2体くらいのホウオウを初手で葬った。もちろん、4ケタ前半くらいまで行くとエッジ警戒で引いてくるホウオウが増えていったのでやめることになったが。

晴れ下でのこだわり聖なる炎はとんでもなく、受け出してくる半減ミライドンを半分以上削るほどの火力。ただ、エンテイ自体が柔らかく、大抵のミライドンの攻撃で2パンされてしまう。

絶対ダメージ計算した方がよかったが、ダメ計する元気はなかった。

カイリューにも有利関係がわかりにくく、めちゃくちゃ受けられることもあれば焼いて機能停止させることもあれば、焼けずに地震でワンパンされることもあり、全く安定しなかった。

テラスは使用権を残していた時に輝くノーマル。ノマテラ神速で倒しきるルートが見えた時が気持ちいい。

選出率は2位タイ。役割の多さが光った。



ウネルミナモ @ しんぴのしずく
テラスタイプ: みず
特性: こだいかっせい
性格: おくびょう
175(4)-92-112(4)-176(244)-104(4)-177(252)
ハイドロスチーム / りゅうのはどう / かえんほうしゃ / アクアジェット

古代活性をSで受けるためにC<Sで最大

残り5点振り


かっこいい。ひたすらにかっこいい。

晴れ化で下がるどころか上がるハイドロスチームがひたすら強く、コライドンのために出てくるカバルドン、ラウドボーンに強く、毒にはなるがキラフロルも苦にしない。黒バドミラコラも活性から上を取って殴っていける、安定感のあるエースである。

水テラスによって、火力の底上げ、アクアジェットの強化などが行え、パオジアンへの安定力が上がったり、カミに一矢報いたりと、かなり出番が多いテラスタルだった。黒バドパオジアンカバルドンアーマーガアのような、受け+エースのような並びを、晴れ水テラスハイスチで吹き飛ばしていく姿は、あまりにも美しい。

C低下を重く見て竜の波動にしていたが、とんぼ返りをするコンセプトと噛み合っていないと後々感じる。竜の波動だとまずミライドンに勝てないため、試してみてもよかったはず。ラッシャにも、竜の波動より流星群の方がいいため、とりあえず試してみればよかったと後悔。

選出率は2位タイ。



コライドン @ とつげきチョッキ
テラスタイプ: でんき
特性: ひひいろのこどう
性格: いじっぱり
207(252)-205(252)-135-94-120-156(4)
アクセルブレイク / フレアドライブ / とんぼがえり / テラバースト

H最大
A最大
残りS


自らをコータスと思い込んでいるコライドン。

やりたいことは、後攻とんぼ返りから相手の不利対面を作成すること。コライドン対策枠としてカバラッシャなどの採用が多く、相手の交代を見てからミナモに引くなどの動きがかなり強かった。

始めは鋼テラスアイヘで使っていて、フェアリーテラスの流行から強いは強いのだが、コライドンがかなり削られた状態でテラスされ、こちらがアイヘを打つ頃には上から縛られてしまうケースがかなり起こった。この状況を炎テラスニトロチャージによって解決した人が上位にかなりいたので、アカンかったなぁと思った。

鋼テラスで相手のフェアリーテラスを解決することはできないと割り切り、ホウオウや水ウーラ、ラッシャへの打点になる雷テラバを最終日夜に採用した。ついでに電磁波の拒否もできる。これによって勝った、というよりかは他のポケモンにテラスを切るようになったので勝った感じがある。

絶対、チョッキならS調整してニトロチャージを入れた方が強いです。カミやパオ、なんだったらミラコラ黒バドに縛られにくく、ポケモンは素早さが大事だよ、という基本の基を再確認させられた。

しいて言うならば、メタモンに強いのがこの型の強みではある。Sに振らなかったおかげで、スカーフメタモンにコピられても、ドクガカミミナモの3体で上を取る調整を行うことができた。

メタモンが剣盾伝説環境くらいまで増えていたら、ワンチャンスあったのかな。

あついいわを採用しようと何度も悩んだが、パーティ的に8ターンで決着をつける力はなく、かと言って8ターン後にコライドンを出す耐久力もないと思いやめておいた。唯一の非コータス要素である。

選出率はさすがに1位。



ハバタクカミ @ オボンのみ
テラスタイプ: じめん
特性: こだいかっせい
性格: おくびょう
161(244)-59-92(132)-161(44)-156(4)-182(84) *A12
ムーンフォース / たたりめ / でんじは / テラバースト

過去の型の流用。Aは適当に低いもの。


神というよりは、守。

タスキにしようと思っていたが、相手のカミも半端な場合が多かったり、ノーモーションでワンパンする火力は黒バド程度しかいなかったため、オボンでカバやランド、相手カミのムンフォの確定数をずらせることの方が有用だろうと思いオボンのみで採用。

軸でメガネとして採用した構築が上位に多かったので、補完枠にするという発想が弱かったのだと反省。

そもそもカミ前提で構築を組んでいないため、ワンチャンを作れる電磁波を採用した。実際に役だったというよりかは、不利盤面でもまくる希望を持てるので、長くポケモンを続ける意味では価値があった。

選出率は5位。



【選出】

・黒バド

コライorエンテイ→ドクガ→カミorミナモ

晴れ下の素早さ上昇で、常に黒バドを強く使わせないようにして戦う。
黒バドに受け出せるポケモンがいない。黒バドの1いななき程度ならテラスコライドンで安定して1耐えできるので、返しの攻撃で倒せるように祈る。

パオカミがいるなら、初手エンテイを検討する。初手にこの対面ができると、相手の受けポケモンに火傷を入れられる可能性もこみで有利。しかもけっこう出てきてくれる。

相手にカバルドンがいるなら、ミナモを入れる。

相手にキラフロルがいるなら、ドクガを入れる。



・ミライドン

コライorエンテイ→エンテイorカミorミナモorドクガから2匹

基本はコライでテラスしながらとんぼを打ってテンポを取っていきたいマッチ。相手が積んでくることはあまりないが、チョッキがいることと、パラボラチャージで無限に回復されないよう、カミの地面テラスやエンテイのノーマルテラスなどでループを切っていく可能性を頭の片隅に置いておきたい。

黒バド同様、相手にカバルドンがいるなら、ミナモを入れる。

相手にキラフロルがいるなら、ドクガを入れる。



・コライドン

カミ→エンテイorミナモorドクガorコライから2匹

まず考えるべきは相手のカミをどうするか。ミナモはカミに弱いので、安易に投げてはいけない。また、コライドンはテラスすると相手のコライドンにまず勝てないので、テラスのタイミングも難しい。


コライドン構築なのに、相手のコライドン構築には不利を取る。弱っ。



・ホウオウ
エンテイorコライドン→ミナモorドクガ→ガチグマ

どくびしを回収するにはドクガを投げたいが、ドクガはホウオウに仕事ができないので苦しい。
ガチグマはかなり対策されているので、めちゃくちゃ有利というわけではない。高速アタッカーや守るに注意。
ホウオウがコライドン読みでブレバで突っ込んでくる場合もあるので、アタッカー枠はミナモの方が安定する場合が多い。



・ザシアン
コライドンorエンテイ→エンテイorコライドンorカミorドクガorミナモから2匹

対面的な構築のため、初手エンテイが刺さる場面も多い。ザシアンが水か地面テラスしてくることが多いため、テラスを見てからドクガかミナモかを選択できるように立ち回っていると勝ちやすい。全体的に地面テラスが多い環境なので、ミナモが本当に偉い。



・ルギア
コライドン→ドクガ→ミナモorカミorガチグマ

毒展開にはドクガ。相手が積んでいる間にドクガも積む展開を狙っていく。



・カイオーガ
コライドン→ミナモ→エンテイorカミ

大抵、天候の書き換え合戦になるが、とんぼが使える分、こちらが有利。半端な冷凍ビームでは、コライドンは落ちない。また、晴れ雨どちらでも火力の出せるミナモが偉すぎる。有利。

一回だけオーガ構築にペリッパーが入っていてちゃんと負けた。ポケモン、難しい。



・ムゲンダイナ
コライドン→ガチグマ→エンテイorカミorドクガ

積んでくるダイナへの対抗策はほとんどない。こちらに強力な地面打点がないため、ダイナにテラスを強要することができないのが本当に苦しい。ガチグマでうまくいかなかったら降参。不利。



・テラパゴス
コライドンorエンテイ→ドクガorカミorミナモ→ガチグマorエンテイ

取り巻きで対応がかなり異なるが、チョッキコライドンがテラパゴスにそもそも強いので有利。

毒のある構築にはドクガ。
ディンルーがいたらミナモ。
取り巻きをよく見ることが重要。




【嫌な相手】

・メガネハバタクカミ

ジェムや地面テラバで、エンテイとドクガがワンパンと、しんどい。型が多様なところも心臓に悪い。


・軽業オオニューラ

ジュエルやシードで安定して素早さを上げてくるとまずムリで、電気テラスコライ以外はテラスアクロバットで上を取られながらワンパンされてしまう。コライドンでもシードでB上昇しているため処理ができない。ムリ。


・レッドカードキラフロル

コライで殴って後ろからドクガが出てくるのを祈るしかない。またはムリヤリミナモを初手投げするが、この行動はあまり強くない。


・ヘイラッシャ

倒せるは倒せるのだが、まぁまぁぐちゃぐちゃにされてしまう。特にゴツメはとんぼコライドンに刺さるため、その後ろから出てくるエースの一貫を作られてしまうことも多かった。電気テラスで触らないようにしたら、その後ろからミライドンや黒バドが出てきて、削られたコライと後ろのポケモンで処理できず。という展開の温床になっていた。


・キレイハナ

出してこないだろうとコライドンから入ったら、水テラスようりょくそちからをすいとる蝶の舞ギガドレインでキレイに詰まされて笑った。




【おわりに】

最終日は5ケタ順位スタートだったが、伝説1体で考えることが少なく、一戦で疲労が溜まらなかったため、完徹して一日で60戦以上潜った。結果、舌が痺れてきたが、3000位台だったのはよかったところか。一度2000位台に乗ったのだが、潜ったら負け越してしまった。

長くやるために、相手のパーティをメモして判断ミスをなるべく減らすように心がけた。が、そんなことより月の半ばからちゃんとポケモンをしていることが一番強いのだろうと思った。

あと、ダメ計もめんどくさくてほぼ回していなかった。伝説や、バフのかかったドカッと殴るポケモンが多くて、まいっか。と思っていたが、少なくともシーズン中盤まではちゃんとやろう。

反省をたくさん書いているが、それを反映させてポケモンに取り組む一か月が果たしてあるのかどうか、とても疑問なのだが、健康になったらまたやりたい。



TN:Ruru
3843位 レート1738


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「このゲームは、プレリリース版です」この言葉に、何度励まされたことか。

パルワールドは、いいゲームではあるが、同時にイライラもさせられたゲームだった。

ぬあーっ!というイライラではなく、うん、うん、、、といった、じんわりイラつかせてくる要素が多い。

こちらの記事ではイライラを晴らす為、パルワールドのイライラした要素を書き連ねていく。

パルワールドをすでにプレイしていている方には、あるある、となることうけあいである。

していない人は、ああそういうことがあるのか、という気持ちで読んでもらうのが一番いい。

忘れてはならないのは、パルワールドは間違いなくおもしろいゲームだった、その上で書かせてもらうよ、ということである。



【壁抜け、床抜けが止まらない】

まずはここから。ワールドを探索していると、「ああ、ここでロードが区切れているんだな」という地点がわかることがある。

このゲームは、地形のロードが何段階かに分かれていて、描写が超細かい、細かい、適当、無し、くらいの違いがハッキリとわかる。

よく動画の画質設定をいじって、低画質だけど読み込みが早い、みたいにできるが、それがオートで判断されている、といったカンジである。

問題なのは、一部の地形でロードすることをあきらめてしまうことがある、といったことである。

例えば、「砂漠の町」というファストトラベルがある。そこでは有用な商人がいる、という情報を手に入れ、話しに行きたい!と思ってファストトラベルで飛んだ。

いない。いないどころか、町の床が透明になっていて、町に人っ子一人いない。

一度ファストトラベルで別のところに行ってから戻ってきても、誰もいない。

このせいで明らかにプレイに支障が出ている。

砂漠の一番端っこのファストトラベルでは、もはやファストトラベルの下の地形をロードできない、その場所にワープさせられない、となったのか、ファストトラベルを選択した後に拠点にワープする、というバグにも遭遇した。何のための登録だったのか。

火山や雪山でも、同様の空間がある。描画が追いついていないところに立ち入らないのが吉であるが、時折描画されていたところが急に描画されなくなって床抜けし、水に落ちてしまうことさえある。

飛行パルでバグの地面を通ることができればいいが、スタミナが切れるともうアウト。また、最悪のケースでは一度すり抜けた後に地形が描画され、当然そこはすり抜けられないので、メニューの死亡してリスポーンする、を選ぶのが一番よい、ということになる。

これが発生しやすいのが、雪山、火山、砂漠など普通にプレイしていて後半に差し掛かるところなので、序盤は安心して遊べるのがせめてもの救いか。


「このゲームはプレリリース版です。」

【ホーミングが甘い】

3Dゲームの性質上、相手を画面内にとらえて攻撃したり捕獲したりする。

まず、注目。ゼルダの伝説やモンスターハンターライズのように、指定したものを中心として前後と左右に動くシステムがあるわけだが、微妙。

微妙になる要因としては、「指定した相手の足元に照準が合う」のが一番大きい。

例えば、ハンドガンのような銃は、射線上に相手がいれば当たるが、ぶつかったところで爆発などは起こさない。

すると、注目→足元に合う→撃つ→足元にちょっと盛り上がったところにヒット→相手はダメージなし、ということが頻発する。

結局、注目した後、照準を少し上に調節する必要が出てきて、急いでいる時なんかは、右親指でカメラ操作して、右人差し指で武器変更、いわゆる「モンハン持ち」を強制されることとなった。

令和になって、モンハン持ちとは、、、。

もちろんパルの照準も相手の足元に合っているので、地形を貫通せず、かつ弧を描かずに直線で飛んでいく「ファイアーショット」をパルに使わせると、自分のパルの足元が一瞬明るくなって、クールタイムに入る。足元から発生したファイアーショットが、即地形に当たって消滅しているのである。

その意味で頭上から発生する「アイスニードル」は安定してヒットするのでこちらを採用、など、プレイの感覚が歪んでしまっている。

「このゲームはプレリリース版です。」


【フリーズからのブラックアウト多め】

いくつか報告が上がっていて、長時間プレイしていると突然サーバーから落ち、再起動させられる、ということがある。

タマゴ孵化中心のプレイをしていたのでよくわかるが、拠点を見続けて、かつ無操作時間が切れないように放置していると、必ず5時間経過したあたりでゲームが落ちる。

他にも、洞窟はフリーズの宝庫で、最奥に到達するかしないかという時にフリーズし、しかも数回チャレンジしても同じ場所でフリーズを起こし、その洞窟をクリアすることができない。(オマケでクリアしても、最奥にある宝箱の中身がカラ、というさすがにバグじゃないと許せない事案も何度か遭遇。)

あとは高速で移動していて、読み込み頑張ってるなーみたいなタイミングでフリーズ、そのままサーバー落ち、というケースもあり、野生のパルや人間と戦っているよりも、もはやゲームのバグと戦わされているのではないかという気持ちになってくる。


「このゲームはプレリリース版です。」


【塔のボスが残念】

チュートリアルの最後に、密猟団を討伐する、という項目が出てくる。パルを育てると、このボス達と戦えるのかぁ!とワクワクしてボスを倒す。ここまではとてもいい。

問題は、初めてのボスの体力が3万。次に倒しやすいボスは6万5千。次は11万。

難易度調整がとても丁寧なパルワールドに、あるまじき釣り上げ方になっている。

その結果、塔のボスは無視して、あとでまとめて倒しまくる、というプレイになりがちである。

パルワールドの戦闘はまぁまぁ緊張感があり、魅力の1つなので、これを味わえるチャンスを逃しているような気がしてならない。

あと、ボス戦でも野生と同じく柱に引っかかってハマるのはかっこ悪いから、困ったら中央にリスポーンするとかはしてもよかった気はする。

技のレパートリーや、体力がなくなってくると大技使ってくるっぽいのはとっても好印象だっただけに、残念ポイントが高い。


「このゲームはプレリリース版です」


【テクノロジーのアンロックが後半雑】

テクノロジーのアンロックによるワクワク感は、石素材の建物作りができるようになったところが正直ピークだった。

サドルや武器など、新しい要素が解放される、されるのだが、本当にほしいものの強化が来ない。

例えば、シールドはパルと戦う為にもトップクラスに強化したいのだが、なかなかなかなか次のものがこなかった印象。

逆に耐熱耐寒アーマーなんかは、インナーで賄えるため解放をスキップしてしまう第一候補。残念レベルアップみたいなことがよくあって悲しかった。

サドルの制限も、始めこそ「ホークウィンのサドル、あとちょっと!」など煽られたものの、ムラクモのサドルなど、パルの捕獲レベルとサドル解放のレベルが等しくなったあたりからは、「あ、もう解放されてるわ」となって、ワクワクがまた一つ減ってしまった感が否めなかった。


「このゲームはプレリリース版です。」


【武器系パルのサドルが意味ない】

まず、パル騎乗状態のよくないところとして、パルとプレイヤーそれぞれに判定があり、騎乗状態でもバンバンHPが減っていく、という部分が正直不快。(ボスはパルと人の体力が合算されているくせに……。)

普通にプレイする上でも、騎乗している時はパルの体力だけ減って、倒されたらもう乗れない、これでいいんじゃないかな。

そして、戦闘の時にパルが主力になる、というゲームシステム上、プレイヤーの体力を低く設定されているので、戦闘の基本は、自分が倒されないように逃げ回りながらパルに相手を倒してもらう必要がある。つまり、戦闘の基本は2対1を形成することである。

騎乗している、ということは当然被弾が増えるし、それに見合う分の火力を手に入れられるケースというのはほとんどと言っていいほどない。

そして、かなりの悲しみを負っているのが、エレパンダなどの武器を使えるようになるパルである。

モタモタ動いてうまく動けない上に、ミニガンの弾が地面に当たって、その間打たれ続け、そうこうしているうちに弾がなくなって莫大なクールタイムが必要になり、他のパルを投げつけてどうにかした後に、エレパンダいらんわってなること大請け合いである。

ロマンは感じられるが、それ以上の価値はない。

「このゲームはプレリリース版です。」


【総括】

結局、長時間プレイしてもイマイチ納得できなかったなぁーと思ったところだけ書いていったので、実際中盤くらいでダレてしまって離れていくプレイヤーはたくさんいるのだろう。

主人公が身につけるものも、だいたいのデザインがダサい。オシャレかつ強い、みたいなものとか、この相手にはこの装備、とか、そういうこともない。

ホントーにプレリリース版、と開発の方が思っているならば、ぜひたくさんの余地を残したパルワールドというゲームを、さらに発展させてほしいと切に願っている。

何度も言うけど、本当にいいゲームだと思っているのでね。

今は料理を大量生産して売却して、富豪生活をするまでやりこんでいるので、ホンマたのんます。



お読みいただきありがとうございました。
よければ【よかった編】もご覧ください。

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